ゆとり日記

 今日あった事や、アニメやマンガ、本や映画、落語の感想などをネタバレで書きます。

Entries

織田作之助 (ちくま日本文学) を読んだ。


織田作之助 (ちくま日本文学)
(和書)2017年03月10日 00:00
織田 作之助 筑摩書房 2009年5月11日

 この中では、『ニコ狆先生』が軽快な感じで一番面白かった。P185の
『美しい。美し過ぎる。』
という文の『○○過ぎる』という言い回しが、今も使われているし流行っていたりもするので、新しく感じた。
 『木の都』は家族思いなレコード屋が良いなと思った。ホームシックの弟のために彼の仕事場の近くまで引っ越すと言うのがスゴい。父はレコード屋をたたむし、姉も仕事を辞めてまでついていくのだから。
コメディからしんみりしたものまであった。
 『蛍』が寺田屋のお登勢の話だった。最初はお登勢という女性が出てくるので、ふと銀魂を思いだしたが、最後の方に坂本龍馬がでてくるまで、あの有名な寺田屋の女将さんの話で、坂本龍馬の妻の、お竜も何気にでていたものとは気づかなかった。話自体はしんみりした感じだった。
 有名な『夫婦善哉』は、蝶子のつれあいの柳吉がウザ過ぎてイライラした。蝶この方に感情移入していたからというのもあるが、生活能力がなさ過ぎだと思ったので。そもそも蝶子の父親の話からはいるのだが、彼が鼻水を垂らしながらテンプラを作っているというシーンでもうひいた。今の感覚だからであろうが、鼻水の落ちたものを売るなよと思った。
 P19にある料理屋は今もあるのだろうか。もう閉店している所もありそうだなと思う。
 『高津の湯豆腐屋、夜店のドテ焼、粕饅頭から、戎橋筋そごう横「しる市」のどじょう汁と皮鯨汁、道頓堀相合橋東詰「出雲屋」のまむし(うなぎ)、日本橋「たこ梅」のたこ、法善寺境内「正弁丹吾亭」の関東煮、千日前常磐座横「寿司捨」の鉄火巻と鯛の皮の酢味噌、その向かい「だるまや」のかやく飯と粕じるなど』
がでてきた。題名にもなっている法善寺境内の「めおとぜんざい」もでてきた。
 蝶子が柳吉におくった草履が戎橋「天狗」の印がはいっており、鼻緒は蛇の皮であったとあったが、草履で有名なブランドで蛇の皮も高価だったのだろうなと思った。
 『可能性の文学』P438で、銀座のルパンという酒場がでてきたが、この店はまだあるそうで、文豪達が通った店として有名なのだそうだ。
 ここで太宰治はビールを飲み、坂口安吾はウイスキーを飲み、彼は徹夜の缶詰になるとかいうのでコーヒーを飲んでいたとあったが、そこでの会話で、太宰治が批評家にやっつけられ通しじゃかなわないだろうと言われたとき、織田作之助が自分の事を美男子だからやっつけられるのだ、僕がこんなに良い男前でなかったら批評家もほめてくれますよと答えたのが面白かった。写真を見てみたが、不細工と言う訳でもないが美男子にも見えなかったので、余計面白かった。
 また彼は、ラジオかなにかの放送に出た時に、残りの5分間で、
「皆さん、僕はあんな小説を書いておりますが、僕はあんな男ではありません」
と絶叫して、そして「あんな」とは一体いかなることであるかも説明したらしい。面白い人だなと思った。
 彼は亡くなったあとも笑い話的な怪談があったようで、解説によると、
『難波駅近くの御堂筋の東側に当時あった小さな薬屋、彼はその店のおとくいの一人だったのだが、ある夜その店の娘さんが店番をしていると、表の戸口から一人の痩せた青年の蒼白い顔が覗いた。『あっ、織田作さんやわ』と娘が思った瞬間、相手は持ち前の薄笑いを浮かべながら、右手を差し出して、『ヒロポンをくれ』といったというのである』
 この調子だと、大阪の自由軒のカレー屋にもしれっと出てそうだなと思った。
スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

ご案内

プロフィール

雪子さん

Author:雪子さん
FC2ブログへようこそ!

最新記事

フリーエリア

右サイドメニュー

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR