ゆとり日記

 今日あった事や、アニメやマンガ、本や映画、落語の感想などをネタバレで書きます。

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『はじまりの島 』を読んだ。



はじまりの島
(和書)2016年12月03日 22:27
2002 朝日新聞社 柳 広司

 『種の起原』を書いたダーウィンがでてくる話だった。狂言回しは彼の乗ったビーグル号に乗り合せた画家オーガスタ・アールなのだが、彼とダーウィンとの二人で、ガラパゴスで起こった連続殺人事件の謎を追っていくというものだった。
 連続殺人事件が起こるのでミステリー小説でもあるのだが、それよりも、今まで当たり前だと思っていた価値観が崩れさることによって起こる不安だとか、自分が正義だと思ってやったことが実は、自分たちの当たり前の価値観を、別の価値観を持った人達に押し付けるだけだったみたいな自分の傲慢さを見せつけられたとかそういうのもテーマな気がする。
 こういう価値観と価値観のぶつかり合いだとか、それによって起こる自分の価値観までがグラグラ揺れて不安定なものになるみたいなテーマに、ダーウィンが出てくるっていうのが面白い。ダーウィンもこの旅から30年後ぐらいに『種の起源』を発表するが、そのおかげで今まで聖書を規準としていたヨーロッパに大変な衝撃を与えるのだから。
 この中では、ビールグ号の船長がいるのだが、彼は昔、人食いの野蛮人とされていたフエゴ人達を可哀想に思い、フエゴの3人をヨーロッパに連れ帰ってキリスト教の洗礼を受けさせる。また教育を受けさせて立派な紳士や淑女にし、彼らを神父と一緒にフエゴ人達の里に連れ帰って、彼らも文明人にさせようとするのだが、見事に失敗してショックを受けたという話が印象に残った。船長的には正しい事をしたと最初は思っていたのだろうが、フエゴの文化をまったく調べず、そのせいで文化のすれ違いが発生し、仕舞には殺される寸前にまでなっていた。この船長がまだ救いがあるなと思ったのは、船長自身がこの事件で自分の傲慢さを思い知って、後悔していたからだ。これで、
「折角与えてやったのに、やっぱり野蛮人は野蛮人だ」
などと思うような人だったら幻滅だった。自分が悪かった?事に気づけたのは良かったなあ。
 P29によると、ガラパゴスはスペイン語でエンカンターダス(魔法にかかった島々)といったそうだ。
 ガラパゴスのガラパゴスゾウガメの亀の甲らを下にして鍋代わりに肉を料理をしたものがあった。この中で驚いたのはイグアナまで焼いて食べていたことだ。味はどちらもおいしかったらしいが、本当だろうか。
 後、気になったのは、画家のオーガスタ・アールが目が見えなくなっていたことだ。これじゃあ仕事もできないし、おじいさんだし、大丈夫なんだろうか。
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