ゆとり日記

 今日あった事や、アニメやマンガ、本や映画、落語の感想などをネタバレで書きます。

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『奇想の系譜 』を読んだ。



奇想の系譜
(和書)2016年11月28日 00:23
2004 筑摩書房 辻 惟雄

 6人の、この本が出版された当時はそこまでメジャーではなかった日本画家達に焦点が当てられていた。
 この中では、岩佐又兵衛という人が、人生も含めてドラマチックで良いなと思った。この本によると彼は、浮世又兵衛とも言われていたそうだ。
 彼は、織田信長の信任厚かった荒木村重の妾腹の子として生まれた。だが、その年の十月、父村重は主君信長に反逆を企てる。信長は城は落としたが村重はその前に脱出しており、怒った信長は城中に残された者全員の処刑を命じ、村重の一族妻子三十余人は、京の六条河原に引き出され、幼児にいたるまで首を刎ねられた。その様子は『信長公記』にも載っているそうだ。彼の母親はそこで非業の死を遂げたと思われるが、又兵衛は乳母の手で城から救出され、京都の本願寺で匿われ、そこで成長したのだそうだ。大きくなってからは武士ではなく、画家になったそうだ。
 少年漫画かってくらいにドラマティックだなと思う。乳母もよく脱出できたな。
 他は、長沢蘆雪が、多芸多趣味だったっていうのが印象に残った。彼は絵だけでなく、馬術、水泳、剣術、音楽も得意であったらしい。
 変わった芸としては独楽もやっており、ある時淀藩主に招かれ、庭先で独楽の曲芸を演じている最中、高く放った独楽が落ちてくるのをうけ損じ、片目に刺さったそうだが、そのまま平然として芸を続けようとしたので、近侍の者が無理に独楽を取り上げてやめさせたという逸話が面白いなとおもった。これで彼は片目を失ってしまったらしいが、肖像画には両目が描かれているので本当なのかなあと思った。後、本当に片目を失っていたのなら、画家として大丈夫だったんだろうかとも思うし。
 紹介された6人の画家たちは、当時は普通に人気があったそうだが、灰汁が強いためにメジャーではなかったらしい。そのため、日本人には今一彼らの良さが貴重だとは思われず、その間に外国人達に買いあさられて国外に流失しまっているそうだ。浮世絵とか根付けとかでもそうだが、勿体ないなあと思う。主流の画家たちも良いのだろうが、日本においては、パワーのあるものは実は主流でない、今バカにされていたり、それにうつつを抜かす事自体レベルが低いと思われているものにこそありそうだなとも思った。
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