ゆとり日記

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アルルの女 (1952年) (新潮文庫〈第419〉) を読んだ。



アルルの女 (1952年) (新潮文庫〈第419〉)
(和書)2016年08月23日 01:29
ドーデ 新潮社 1952

 村上菊一郎が訳をしたアルルの女を読んでみた。100ページ足らずしか無くて意外と短かった。
 題名はアルルの女とあるので、アルルの女が出てくるのかなと思ったんだけれど、彼女は台詞の中でしか出て来なかった。最後まで彼女を出さない演出というのが面白いなと思う。
 内容を簡単に言うと、小金持の田舎の百姓の息子フレデリが、都会のアルルの美しい女性に恋をして結婚の約束までするんだけれど、彼女が別の人と浮気していたという理由で結婚は取りやめになり、自分と同じく田舎の素朴な女性であるヴィヴェットと結婚しようとしたやさきに、やっぱりアルルの女の方が好きだった息子は、自殺してしまったとかいう話だった。
 この話で一番の被害者はヴィヴェットだと思った。アルルの女を忘れるためにプロポーズされていよいよ幸せになるという矢先になんか相手が勝手に死んじゃうし。それだったら、最初からプロポーズなんてしなければ良かったのだ。でも、彼女はマルク親方に気に入られていたので、彼女も立ち直ったら幸せになって欲しいなと思う。
 この話で一番良いなと思ったのは、主人公のその青年の家で昔から働いている羊飼いのおじいさんが、ヴィヴェットのおばあちゃんと昔恋仲で、おばあちゃんの方が既に猛結婚していたので、羊飼いの方が別れてそのまま何十年も会わなかったのを、ヴィヴェットと青年との婚約祝いの時にまた出会ったというシーンだ。
 ルノーおばあさんが
「ごらんの通り、すっかり年をとって、しわくちゃになってしまったこの私なんぞに、接吻しても恥ずかしくないかしら...」
というのを、羊飼いのバルタザールが
「とんでもない!」
と答え、それにおばあさんが
「それじゃあ、お前さん、きつく胸に抱き締めてちょうだい。この愛情の接吻を、わたしゃお前さんに五十年も預けたままでいました。」
とキスをするのがなんかロマンティックだなと思った。後、平野耕太のヘルシングの最後でもこんな感じの台詞があったなと思った。
 どう転んでもハッピーエンドにするのは難しそうだなと思う。アルルの女とフレデリが無事に結婚できたとしても、彼女は都会育ちだから農業なんてやりたがらないだろうしなあ。それに、アルルの女の元恋人ミチフィオが邪魔をしてきそうだし。登場人物の中では彼が一番陰険だなと思った。彼女の結婚をぶちこわすために自分との仲を暴露していたからだ。本当に彼女の事が好きなら、黙って身を引けよと思った。
 ういきょう入りのパンケーキが出てきたが、このういきょうというのはフェンネルのことらしい。
 フレデリの家はカストゥレにあり、ミユスカとかいうワインを作っているようだ。ググってみると、どうやらマスカットのワインのようだ。モデルになった農家もあるのかは知らないが、物語の舞台は南フランスらしい。甘口めのワインなんだろうか?
 後、アルルの女の方は果実酒を作っているそうだ。
 この物語は、ドーデの小説『風車小屋便り』の中にある話を脚色したものだそうだ。
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