ゆとり日記

 今日あった事や、アニメやマンガ、本や映画、落語の感想などをネタバレで書きます。

Entries

シネマ歌舞伎『野田版 研辰の討たれ』を見た。

 シネマ歌舞伎『野田版 研辰の討たれ』を見た。中村勘三郎とか中村獅童などが出ていた。演出と脚本は野田秀樹だった。
 始終ドタバタしていて面白かったが、どことなく集団心理の怖い所もあって、それもまた面白かった。
 内容は、赤穂浪士のニュースで仇討ちブームがおこり、仇討ちをあっぱれだと祭り上げたり、女性は女性で、仇討ちをする人の内助の功、つまり妻になりたいとかいっているところに、正論ではあるんだけれども一人だけ冷めた目で空気読めないことばっかり言っていたもと商人の武士が仇討ちをされることになり、殺されたくないので逃げるみたいな感じだった。
 主人公のその彼は、元々は刀の研ぎ師なのだが最近武士になった人で、元々の武士みたいな変なプライドがないので上司や奥方にも平気でよいしょが出来る人だった。だがそれがあまりにも調子のいい事ばっかり言っているので、周りの人達には勿論嫌われていた。
 印象に残ったシーンは、どう見てもしょうもない男だった彼が、彼のハッタリで仇討ちの旅に出ているということなったとたんに、皆が手のひらを返して立派立派だと言い、今まで相手にしていなかった女性達も、ぜひとも内助の功になりたいと恋文を渡したりしてくるところだ。そして、みんなも敵討ちを手伝って「殺せ殺せ」とけしかけたり、女性達も殺る気まんまんで「手伝いましょうか?」などと言っているのも怖いなあと思う。
 しかもこの殺人が、美徳を追い求めるあまりに、というところも怖い。あまりにちゃらんぽらんというのも困るが、こういう美徳だとか、品行方正さを追い求めている人の方がより危険性が高いというか、怖いなと思った。
 また、このあと偉い僧侶である良寛がでてきて、
「可哀想じゃないか。」
と言ったら、ギャラリーがまた手のひらを返して
「殺すのはちょっと...」
みたいな方向に言ったのも、どっちだよと思ってしまった。
 人は誰でも人に感心されたいとか一目置かれたいみたいな自己顕示欲があるが、それが大きすぎるとこのように怖い事になるので、あまりにもクリーンさを追い求めるのも考えものだなあと思った。
 主人公は結局殺されたというところで終った。背景の紅葉が綺麗だなと思った。
スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

ご案内

プロフィール

雪子さん

Author:雪子さん
FC2ブログへようこそ!

最新記事

フリーエリア

右サイドメニュー

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR