2016.06/07 [Tue]
『大原美術館と私 50年のパサージュ 』を読んだ。
大原美術館と私 50年のパサージュ
(和書)2016年06月07日 01:05
2000 山陽新聞社 藤田 慎一郎
大原美術館の館長の話だった。大原美術館の歴史やコンセプトを知る事が出来た。
大原美術館では盗難事件が2件あったそうだが、コローの「ナポリ風景」は未だに見つかっていないというのが残念だと思った。もう一つの盗難事件で盗まれた五点は無事に見つかったそうなので、このコローもまた見つかれば良いなと思った。
この美術館は現代アートを比較的速く取り入れたというのがスゴいと思う。現代アートをあつかったことで、当時の老人達には不評で
「新しい館長になってから下品になった。」
とか言われたそうだが、若者達には好評だったそうなので良かった。昔から時代についていこうとしない人は一定の割合でいたのだなあ。だが妥協してその人達の方にあわせようとせず、自分たちの信じた道を突き進んでいったというのが偉い。
P127のフランスの女性編集者が取材に着た際に言った
「ブリヂストンもひろしまも立派だけど、現代美術がない。戦後何十年もたって現代美術に対する評価もどんどん変わっているのに、それを紹介しないのは美術館としては変則的である。その点、大原美術館は十九世紀後半から現代まで網羅している。これこそ美術館の本来の姿だと思うからだ」
というのが良いなと思った。
大原総一郎さんが作った「エル・グレコ」や、麺類が好きだったから読んで来た「あずみ」という蕎麦屋についてもあった。
P139にロサンゼルスのサンタモニカのJ・ポール・ゲティ美術館は地震などの災害での文化財の被害についての研究にも取り組んでいて、阪神大震災の時にもここのスタッフがすぐに駆けつけてくれたそうだ。後、東京の世田谷にある世田谷美術館のレストランはとても評判が良いので、美術関係社の間でも
「あの美術館に行ったら、絶対にレストランで食事して帰れ」
と言われているともあった。
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